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「教育研究に焦点を当てるゼミナール」

金曜日4、5限

 本ゼミナールでは、教育領域に焦点を当てた研究を進めます。学校教育のみならず家庭教育、地域の教育など幅広く対象としますが、政策や制度として教育を見る方法を身につけて下さい。

 特定の社会がどのような社会であるかは、その社会が採用している制度や仕組みからある程度推測できます。しかし、その制度や仕組みの実際は、それを動かしている人々の価値観や行動特性に大きく左右されます。流動する人的な要素を加味しなければ社会を読むことはできないということです。人づくりは社会づくりに他なりません。それゆえ人を育てる教育という場は、社会の中に渦巻く様々な利害が生々しく反映する場でもあります。

 教育領域の把握が一筋縄ではいかないのは多様な意見が衝突するからだけではありません。教育が、人づくりを通じて社会を変化させる可能性を持つと同時に、反面、既存の社会を再生産する装置としても機能しているという、相反する二重の性格を持つからでもあります。この入れ子的な構造に教育の可能性と問題点が集約されています。さらに、教育が個人にとっては権利であるという側面と、社会にとっては社会維持のための装置だという側面も時にはかち合います。

 教育は、身近で複雑でそして奥深いものです。人間関係というミクロなレベル、国家政策というナショナルなレベル、さらには国家を越えたグローバルなレベルで教育を考えましょう。


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© Hiroko HIROSE 2019